五五雑記

五十代無職の日常です

中国で初めて海外送金した話(前篇)

中国生活およそ10年にして、先日初めて中国から日本の個人口座へ海外送金しました。

これまでは一時帰国時にATMでちょこちょこ引き出していただけなので、中国の銀行口座には結構な額を残しています。

しかし、今年になって帰国後の早期退職を検討するようになり、現在のコロナ下では早めに日本へ資金移動しておかないと大きなリスクがあることに気付きました。

外貨購入額の制限

中国はもともと外貨管理が厳しいんですが、外国人に対してはより厳しさを見せます。

実は海外に送金すること自体は銀行のアプリでも実行できるほど簡単なんですが、その前段階である銀行口座にある人民元を外貨に両替することはハードルが高いです。

両替の限度額は基本的には受領した給与額です。

「口座にある人民元が確かにわたしの給与として入金されたものであること」を銀行の窓口で証明する必要があります。

わたしの現在の勤め先は3社目です。

最初の勤め先の書類を揃えるのは難しいので、当時の給与分は両替可能枠から外れるということになります。

ATM引き出し額の制限

日本で中国人の爆買いが話題になり始めた2015年くらいに、海外での銀聯カードの引き出し額に年間10万元(現在のレートでは約160万円)の制限が設けられました。

当初は確かこの制限額はカード1枚に対するものだったので、例えばカードを2枚持っていれば年間20万元引き出せたようですが、その後、1人当たり10万元と厳格化されました。

気軽な一時帰国ができない今、わたしが次に日本に行くのは本帰国の時となる可能性が大です。

もし中国の資産をそのままにして帰国した場合、50万元の資金移動に5年間、100万元の資金移転に10年間かかるということになります。

金利がいいんだから中国に10年でも20年でも残しておけばいいんじゃないか、というのはひと昔前だったら通用したかもしれません。

しかし、これからは難しくなるであろう事情があります。

銀行口座の管理厳格化

外国人が中国の銀行に口座を開設する際はパスポート番号の届け出が必要で、その有効期限も銀行に登録されています。

なので、パスポートの期限が切れた場合は銀行から登録情報の更新を求められます。

銀行窓口に行き、新しいパスポート番号を登録しに行くのです。

コロナ前であれば、本帰国後であっても出張でも旅行でも適当な機会に現地で対応できたかもしれません。

しかし、今はアフターコロナ。

プライベートはもちろん仕事であっても渡航は極めて困難です。

今後しばらくは気軽な訪中はまず不可能と見ています。

次回のパスポート更新時期までには資金移動を完了しておく必要があるでしょう。

加えて、最近は「パスポートの有効期限」だけでなく、「ビザの有効期限」の登録を銀行から求められたという話もちらほら聞いています。

つまり銀行口座の維持に居住者であることが厳に求められる可能性があるということです。

現時点では任意届出のようですが、今後のことは誰にも分かりません。

銀行によって担当者によって対応が変わるのが中国の常です。

ルールとその運用がある日突然変わるのもまた中国の常です。

ババを引いてしまったら泣くに泣けないことになります。

www.iza.ne.jp

この記事で新聞社の特派員が中国の銀行の対応に文句を垂れています。

「本当に10年住んでいたの?」という無知ぶりで、笑うほかありません。

わたしもどこかの誰かに笑われないように、初めて円買いと海外送金を行うことにしました。

後篇に続きます。

retire-zakki.hatenablog.com

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香港だったら、こんな苦労しないんだけど。